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おかず(海鮮)

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ワタリガニのしょうゆ漬け (간장게장)

ワタリガニのしょうゆ漬けには「ご飯泥棒」という異名があるほどの珍味で、韓国では専門店があるほど人気があります。歴史は古く、1600年代以前から食べられていたと言われています。1809年に刊行された料理書「閨閤叢書(キュハプチョンソ)」には、牛肉を食べさせたワタリガニをしょうゆ漬けにすると、より美味しくなるとの記述がありました。メスの産卵時期にあたる5月から6月頃のワタリガニを漬けたものが一番美味です。

ヤンニョムケジャン  (양념게장)

カニを唐辛子入りのヤンニョムで和えた料理で、ワタリガニが良く使われます。ワタリガニの旬は産卵期を迎えるメスが春で、秋が肉がたっぷりとついたオスとなっており、それぞれに味わいがあってご飯泥棒と言われています。ケジャンは韓国のどの地域でも食べられますが、西海岸側に位置する全羅北道(チョルラプクド)の群山(クンサン)や京畿道(キョンギド)の平沢(ピョンテク)はワタリガニの産地のため、より新鮮なものが味わえます。

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チャンジャ (창난젓)

韓国では塩辛の種類が豊富。特に慶尚道(キョンサンド)など南部地方で親しまれています。キムチに欠かせない塩辛も南部では独特の味わいがあり、できあがったキムチはコクがあり、塩辛いものになります。チャンジャ塩辛(チャンランジョッ)は鱈の胃袋をじっくりと塩漬けし、ヤンニョムとあわせて発酵させたもの。チャンジャは塩辛の中でも代表的な存在で、ご飯泥棒と言われます。その他にイカ、アサリなど、塩に漬けた保管方法を取っていましたが、冷蔵庫の発達により塩分の量は減っています。

韓国刺身  (한국식 회)

柳夢寅(ユ・モンイン1559‐1623)が書いた於于野談(オウヤダム)に、韓国人が刺身を食べるのを見て、中国人は「汚い」と罵倒した記述から、この頃から生の魚を食べる習慣があったと思われます。韓国の刺身は現在、ヒラメ、タイ、スズキなどの白身魚が主流で、薄く切ったものを酢とコチュジャンを混ぜたチョジャンや、わさび醤油につけて食べますが、唐辛子が広まる前は辛子醤油だったようです。チョジャンやわさび醤油を付ける方法の他に、ムルフェといって刺身を入れた冷たいスープ料理、和え物のフェムチムがあります。

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さばのキムチ煮 (고등어 김치조림)

酸っぱくなったキムチと旬の脂がのったさばの絶妙な味。韓国ではおかず、おつまみとして有名な魚料理です。キムチがあれば他の薬味はいりません。慶尚道(キョンサンド)では、東海岸で水揚げされたサバを内陸に運ぶときに塩漬けします。塩サバを使ったキムチ煮は、ヤンニョムは少なめで作ります。一方、済州島(チェジュド)では、生サバを使います。10月から翌年の2月にかけて採れるサバは脂がのって美味。生サバを使う場合は、ヤンニョムを大目にしてキムチ煮に仕上げます。

白身魚の饅頭 (어만두)

韓国料理には魚と肉を一品に仕立てるものが多いのが特徴で、中でも代表的なのが白身魚の餃子(饅頭)です。通常はそば粉や小麦粉で皮を作りますが、餃子は白身魚を皮にしています。1719年に刊行された料理書「進宴儀軌(ジニョンイクェ)の中で、オマンドゥの記述があり、当時は宮中の宴会などで食べられていました。この料理は白身魚で作るので味が淡泊。主に夏に食べられましたが、この頃は季節に関係なく特別な日に食べられています。

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いしもちの辛味焼き (조기양념구이)

いしもちの辛味焼きは、いしもちにコチュジャンたれを塗って焼いた辛味の焼き魚。韓国語でいしもちのことを「チョギ」と言います。また、いしもちの干物を「クルビ」と言って、旧正月やお盆の贈り物として人気があり、高級なものになるとケタが違います。天井にクルビをぶら下げておき、ご飯をひとすくいして、クルビを一度見つめてからご飯を口に入れ、これを繰り返してご飯を食べたという「ケチン坊の話」があるほどおいしい魚です。

さんまチゲ (꽁치찌개)

済州島ではサンマが採れるため、個性的なサンマ料理があります。サンマを使ったチゲは野菜がたっぷりで、蒸し煮のジョリムのようなおかず感覚で食べられます。一般的に、サンマチゲは生を使うよりも缶詰が多く、スーパーには水煮缶が並んでいます。サンマはタンパク質、脂質、ビタミンB12、ビタミンDとDHAが豊富で、栄養満点です。また、済州島には変わったところで、焼いたサンマを丸々一本を具にしたのり巻きがあります。

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乾燥明太焼き (명태 양념구이)

朝鮮王朝時代に食べ始めた魚に、スケトウダラの明太(ミョンテ)があります。後期になって多く取れるようになりました。スケトウダラを初めて捕ったときに名前がわからなかったので、地名の「明」と漁師の名前の「太」を組み合わせて命名したそうです。江原道(カンウォンド)では、スケトウダラの加工品を使う料理が豊富にあり、保管しながら必要なときに調理します。ここでいうヤンニョムはコチュジャンを使った辛いもの。辛めのヤンニョムを明太に塗り、じっくりと網で焼き上げます。

蒸し海老  (대하찜)

テハチムは宮廷料理の一つで、大えびを味付けして蒸した淡泊な蒸し物。蒸したえびの上には、卵白と卵黄の錦糸卵、岩茸、赤唐辛子、青唐辛子の五色を使って飾りのコミョンをのせます。岩茸は非常に高価な食材なので、宮廷料理では良く使われますが、一般的ではありません。長さが25cm程度の海老を韓国語でテハといい、腎臓の機能を強くして陽気を旺盛にします。また蛋白質とカルシウム・リン・ヨード・鉄分などの栄養分が豊富に入っています。

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牡蠣のジョン (굴전)

旧正月のソルラルや旧盆の秋夕(チュソク)、おめでたい行事に欠かせないジョン料理。牡蠣は旬が冬なので旧正月に良く食べられます。また韓国の牡蠣は大家族の家ではお正月やお盆の全日になると、ホットプレートで延々とジョンを焼き、当日の料理に備えます。牡蠣のジョンに合うお酒にマッコリがあり、宴会料理にふさわしい一品と言えます。海の牛乳と呼ばれるほど栄養豊富な海の幸です。特有な風味と食感で好き嫌いがありますが、ジョンにすると食べ安いです。

イカ炒め (오징어 볶음)

韓国の人が好きな料理の一つにイカ炒めがあります。コチュジャンや唐辛子で辛く味付けをしているため、ご飯のおかずに良く合います。トッパッという丼や、素麺と和えて食べる方法も一般的です。慶尚北道(キョンサンプクド)の鬱陵島(ウルルンド)はイカの産地。ここは暖流と寒流がぶつかり合うので、良質のイカが漁獲されます。韓国語でイカ炒めはオジンオポックムといいますが、オジンオプルコギという言い方をするときもあります。

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イカの和え物 (오징어 무침)

イカ炒めと似ていますが、茹でたイカと生野菜を酢とコチュジャンで作ったチョジャンで和えているので、さっぱりとした辛味と旨味が絶妙。素麺と混ぜ合わせると、一品でボリューム感がでます。慶尚南道(キョンサンナムド)の統営(トンヨン)で有名な忠武(チュンム)キムパッは一口サイズの大きさで、具の入っていないのり巻き。オジンオムチムと一緒に食べるスタイルで、シンプルなのり巻きにオジンオムチムの味わいが花を添えています。

テナガダコの炒め物 (낙지볶음)

全羅道(チョルラド)の務安(ムアン)はテナガダコの産地で、干潟があります。手長ダコ料理はバラエティに富んでいて、生きたままのぶつ切りをゴマ油と塩で食べるサンナッチ、たっぷり野菜と一緒に煮込んだナクチジョンゴル、そして、辛く炒めたナッチポックムと、手長ダコだけでコース料理も可能なほどです。変わったところで、タコを巻き付けて焼き上げる料理は、全羅道ならではです。秋から冬までが手長ダコが旬。この時季は特に強壮力が高いので、良く食べられます。

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