ジャン類
辛いだけじゃない、体にもいい コチュジャン
韓国の文化であり、韓国の食を語るのに欠かせないのがコチュジャンです。
ジャンとはコチュジャン、味噌(テンジャン)、醤油(カンジャン)などの総称でいわゆる韓国伝統調味料のことを言います。味噌や醤油は日本のものとは異なる風味や味がします。
ジャン類の中で意外にも、最も遅く韓国の食生活に導入されたのがコチュジャンです。コチュジャンは朝鮮時代半ば、唐辛子が韓国に伝来されて以降、唐辛子栽培の普及によって一般化され始めたことで初めて作られ、味噌を作っていた豆加工技術と新しい唐辛子という食品がマッチし生まれたものと考えられています。韓国民族、自ら作り出した独創的で固有の香辛調味料の1つとも言えます。
栄養面でどの国の伝統食品よりも優れていると言え、味噌玉の粉と麦芽の上澄み液、唐辛子粉、蒸かしたもち米、塩を合わせて熟成させたコチュジャンには醤油や味噌に劣らない多くの栄養分が含まれていることが科学的に立証されています。蛋白質、脂肪、ビタミンB2、ビタミンC、カロチンなど、人体に有益な栄養分が多く含まれており、辛味成分のカプサイシンにより代謝も活発になります。
韓国味噌 テンジャン
韓国料理に欠かせない調味料の一つがテンジャン(韓国味噌)です。テンジャンは野菜と米が中心でたんぱく質が不足しがちな伝統韓国料理の中で、たんぱく質の供給源として古くから愛されてきた調味料です。日本でも味噌は和食には欠かせない伝統的な調味料ですが、テンジャンとは味や風味が大きく異なります。日本では味噌汁は沸騰させてはいけないですね、その一番の理由は風味が飛ぶからです。しかしテンジャンは長く煮込めばより風味が増します。テンジャンチゲが熱々の沸騰した状態で石鍋で提供されるのもその為です。
テンジャンはの伝統的な製法はゆでた豆に茹でた大豆を粗くすりつぶし、四角や丸い形に固め味噌玉(メジュ)を作ります。味噌玉を藁で結んで風通しの良い軒下に吊して発酵させた後、塩水に40~60日浸け熟成させた後、味噌麹を取り出し他の壷等で更に熟成・発酵させたもので、塩水は醤油となます。この時に使う材料や熟成期間・熟成方法によりテンジャンの種類は変わります。また、最近韓国で食べれられているテンジャンは米や麦に麹を混ぜ配合された後に、ゆでた豆に入れ塩と一緒に熟成させたもので、従来の作り方のテンジャンに比べ味も栄養面を優れています。韓国料理をご家庭でお作りになる際はぜひ韓国のテンジャンを使って下さい!日本の味噌で作ったときとは一味違う本場の味を感じてください。
韓国醤油 カンジャン
かつて韓国では醤油がおいしくないと、その年に大きな災害が発生すると言われるくらい、醤油漬けは家庭主婦にとっては大切な年中行事の1つになっており、その家の醤油の味で料理の上手さが証明されました。韓国料理で最も使われる調味料でもあります。
カンジャンの「カン」は塩気の塩味(salty)を意味します。醤油は味噌を作るときに使う塩水が発酵により黒くなったもので日本の醤油とはまた異なる独特の香りがあります。
世界で愛される韓国ジャン類
健康にもよく、また香り豊かな韓国のジャン類は韓食の広がりと共に世界各国で愛されています。2008年からコチュジャン・テンジャン・カンジャンの輸出は各品目増加傾向にあり、3品目のトータルを見ると2017年の実績は2008年の2倍以上に増加しました。今後も韓食や韓流ブームの世界への広がりと共に更に輸出が増加されることが期待されています。