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地域ごとに異なる多彩な料理

韓国は三方を海に囲まれ、山脈が連なります。地域により気候が違うことから、その土地ならではの郷土料理が生まれました。

ソウル料理

朝鮮時代に首都が漢城(ハンソン)に遷都し、現在のソウルとなりました。ソウル料理は全国の食材が集まって作られた宮中料理の流れから、見た目に華やかで、手間がかかり、贅沢なのが特長です。肉、魚、野菜などをバランス良く使い、味付けは薄すぎず濃すぎず中間。韓国料理といえばソウル式のものが代表として挙げられます。
【代表的な料理】
宮中トッポッキ宮中焼肉(ニビアニ)牛スープ(ソルロンタン)牛の辛味スープ(ユッケジャン)餅スープ(トックッ)

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京畿道(キョンギド)料理

京畿道はソウルを囲む地域であり、西側に黄海(ファンヘ)、北や南東側に山岳地帯が広がるため、農水産物が豊富に採れます。京畿道の水原(スウォン)には朝鮮王朝時代に建設された華城があります。当時労働力として牛を使っていたことから、水原カルビが生まれました。利川(イチョン)は米の産地で、王様に献上されていたほど良質。現在は白飯を中心として定食が有名です。
【代表的な料理】
水原カルビ(スウォンカルビ)、利川白飯定食(イチョンペッパンジョンシク)、九里どじょうスープ(クリチュオタン)、二東カルビ(イドンカルビ)、部隊鍋(プデチゲ)

仁川(インチョン)料理

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空港のある仁川(インチョン)は、中華街のあるエリアとして有名。開港を期に中国との交流が盛んなり、中華料理をベースにした韓国料理のジャージャー麺が誕生。その後、全国に韓国式ジャージャー麺が広まり、国民食になるほど愛されています。また海に隣接しているため、海鮮の刺身や鍋料理が豊富です。
【代表的な料理】
ジャージャー麺(チャジャンミョン)、サッパの和え物(ペンデンイムチム

江原道(カンウォンド)料理

江原道は高原、山岳地帯が広がり、じゃがいも、とうもろこしなどの畑作が中心。山菜も豊富に採れます。日本海に面している地域ではスケソウダラ、イカが漁獲されるため、これらを使った料理が多く存在します。江原道の料理は見た目にも素朴で、自然の風味が活かされているので、使用する調味料や薬味は少なめです。
【代表的な料理】
冷たいそば(メミルマックッス)、いかの肉詰め(オジンオスンデ)、どんぐりのでんぷん寄せ(トトリムッ)、スケソウダラの焼き物(トンテクイ)、じゃがいもすいとん(カムジャスジェビ)

忠清北道(チュンチョンプクド)料理

忠清北道(チュンチョンナムド)内陸にあたり、ほとんどが山間部ゆえ、山菜やきのこ類が豊富。海鮮は塩漬けや塩辛、川魚になります。穀物の収穫が他の地域よりも少ないため、粉物料理が発達しました。
【代表的な料理】
山菜定食(サンチェジョンシク)、ナマズ鍋(メギタン)、薬草ビビンバ(ヤクチョピビムパッ)

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忠清南道(チュンチョンナムド)料理

忠清南道(チュンチョンナムド)は黄海(ファンヘ)に面しているので、海産物がふんだんにあります。料理は全体的に淡泊。素材の味を活かしたものになっています。
【代表的な料理】
大豆もやしご飯(コンナムルパッ)、ワタリガニのしょうゆ漬け(カンジャンケジャン)、公州スープかけご飯(コンジュチャンクッパッ)、牡蠣ポサム

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慶尚北道(キョンサンプクド)料理

慶尚北道は東側が日本海に面し、道のほとんどが山脈に囲まれた盆地で、米や豆の農業が盛ん。イカやカニなども漁業も活発です。安東(アンドン)で有名な塩鯖は、漁獲した鯖を内陸の安東に運ぶため、保存性を高めるために塩をまぶしたところ、到着する頃に美味しくなったため、名物となりました。また高級牛肉の韓牛が有名です。
【代表的な料理】
安東塩サバ焼き(アンドンカンコドゥンオクイ)、丸鶏の水煮(タクペクッス)、イヌヤクシソウのキムチ(コドゥルペギキムチ)

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慶尚南道(キョンサンナムド)料理

慶尚南道は韓国の南東に位置し、対馬海峡に接しているため、韓国で一番漁業盛んです。塩辛の種類は全羅道(チョルラド)に次いで多く、イワシの塩辛を良く使用します。調味料も香辛料も大量に使うため、総体的に味が濃く、刺激的なものが多いのが特徴です。
【代表的な料理】
晋州ユッケビビンバ(チンジュユッケピビムパッ)、海鮮ネギチヂミ(ヘムルパチョン)、あんこうの蒸し煮(アグチム)

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全羅北道(チョルラプクド)料理

全羅北道(チョルラプクド)は西が海に面しており、海産物が豊か。肥沃な平野では、良質な穀物な野菜、山岳地では山菜が採れる上、土地の貴族たちが優れた料理法を代々伝えてきました。よって、全羅北道の中でも全州(チョンジュ)は食文化が勝っていると言われています。
【代表的な料理】
全州ビビンバ(チョンジュピビムパッ)、大豆もやしのスープかけご飯(コンナムルクッパッ)、韓定食(ハンジョンシッ)

全羅南道(チョルラナムド)料理

全羅南道(チョルラナムド)は、西と南に海があり、特に海産物料理が多く存在します。料理は塩辛や香辛料を沢山使うため、塩味や辛味が強いのが特徴。名物のエイの刺身は、発酵させているので強烈な匂いがするものの、全羅南道のお祝い料理に欠かせないと言われています。
【代表的な料理】
エイの刺身(ホンオフェ)、イイダコ鍋(ナッチジョンゴル)、灰貝の和え物(コマッムチム)

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釜山(プサン)料理

韓国第二の都市である釜山(プサン)は、海鮮と豚肉料理がバラエティに富んでいますが、ソウル料理とは一線を画しています。クッパといえば本来は牛肉がメインですが、プサンでは豚肉が主流。また、その昔、冷麺の主原料であるそば粉が手に入らなかったため、小麦粉と使ったミル麺が一般的になりました。
【代表的な料理】
海鮮チヂミ(ヘムルパチョン)、豚肉のクッパ(豚肉クッパッ)、ミル麺

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済州島(チェジュド)料理

済州島は海に囲まれた韓国最大の島で、アワビ、ウニ、甘鯛などの海産物が良く採れます。気候が温暖なため、みかんやお茶も栽培され、本土とは異なった独自の食文化が形成されています。済州島では米が余り作られないため、雑穀がメイン。肉は豚と鶏肉が多く、中でも黒豚は名物になっています。
【代表的な料理】
あわび粥(チョンボッチュッ)、甘鯛焼き(オトムグイ)、豚の五枚肉焼き(オギョッサル)、太刀魚の刺身(カルチフェ)、ウニわかめスープ(ソンゲミヨックッ)

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