韓食文化

身体の中からきれいになる韓国の発酵食品

発酵食品の歴史は長く、先史時代に遡ります。食べ物が少なくなる冬に備えての保存方法に発酵があり、魚介類や果実はこの形が取られていました。後に醤(ジャン)や酒が生まれたことで、韓国発酵食品の根幹が形成され発展に至りました。

ウェルビーイングが注目されたことで、改めて見直されている発酵食品。発酵にはどのような働きがあるのでしょう?

発酵とは?

適当な温度と湿度管理のもと、身体に良い微生物の働きにより、雑菌の繁殖を抑えながら食べ物の栄養価を高め、新たな風味と旨味を作り出し、長期保存が可能になることです。代表的な菌に、乳酸菌、麹菌、枯草菌があります。

韓国料理に欠かせない発酵食品は、調味料から料理に至るまで種類に富んでいます。

醤油(カンジャン)

韓国料理で一番使う調味料は醤油です。伝統製法の醤油は、独特な風味があります。その作り方はというと、茹でた大豆を粗くすりつぶし、四角や丸い形に固めます。これは味噌玉(メジュ)と言って、しょうゆの元になります。味噌玉を藁で結んで風通しの良い軒下に吊して発酵させた後、大きなカメに塩水とみそ玉を入れて数ヶ月間熟成させます。塩水が変化して黒い液体になります。これが醤油です。味噌玉を干す際に使った藁から、枯草菌が付着し発酵が促されます。
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味噌(テンジャン)

スープやチゲに欠かせない味噌は、昔ながらの製法で、醤油と同時進行で作られます。大きなカメに入れた塩水は醤油に変化し、味噌玉がコクのある味噌になります。テンジャンの特長は、長く煮込むほどに風味が増すこと。毎日食べても飽きない味わいです。
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コチュジャン

味噌玉の粉と麦芽の上澄み液、唐辛子粉、蒸かしたもち米、塩を合わせて熟成させたものがコチュジャンになります。寝かせる期間が長いほど、味がまろやかになり、酸味が加わるため、加熱すると旨味に変化します。唐辛子には美肌を生み、老化を予防するビタミンA、ビタミンCが豊富。辛味成分のカプサイシンにより代謝が活発になります。
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清麹醤(チョングッチャン)

納豆に煮た味噌を清麹醤(チョングッチャン)と言います。大豆と藁を40~45度の環境においておくと自然に発酵し、大豆が糸をひきます。これを粗くつぶして丸い形に整形して保存します。使い方はチゲの調味料。加熱するほどに独特な匂いを放ちます。

以上の大豆発酵食品は、タンパク質が発酵によりアミノ酸に分解することで、ガンを予防や抗酸化作用につながると言われています。

食酢(シクチョ)

食酢は穀物、果物など様々な材料で作ることができます。果物には酵母菌が付着しているため、糖分を補い、一定の温度を保つと発酵が促されて酢に変化します。食酢の有機酸は疲労回復に良く、アミノ酸は肥満を予防します。そもそも殺菌効果があるため、毎日摂取すると病気になりにくい身体を作ります。

塩辛(ジョッ)

魚介に大量の塩をまぶして塩辛にする方法は、紀元前から取られてきました。塩の効果により発酵された塩辛は、更なる旨味を引き出します。韓国ではキムチに、アミの塩辛、イワシの塩辛などを使用。塩辛の働きにより、キムチの発酵も促されます。

マッコリ(マッコルリ)

農作業の合間に愛飲されたマッコリは、米が主原料のため、お腹を満たす役割もありました。マッコリは蒸かした米に麹と水を合わせて、一週間ほど一定の温度で寝かせます。できたては爽やかでフレッシュな味わい。日が経つにつれて酸味と苦味が生まれます。マッコリは乳酸菌が豊富。飲むヨーグルトのアルコール版といえば、その栄養が分かりやすいかもしれません。
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キムチ

唐辛子が朝鮮半島に広まると、白かったキムチが赤いキムチになり、辛味のあるものが主流となりました。唐辛子のお陰で、保存性がより高まり、深みのある複雑な味わいが誕生。キムチは発酵により、乳酸菌が増えます。この乳酸菌が腸内環境を整え、健康や美容効果を発揮。さらに唐辛子の栄養も加わり、冷え性を予防し、代謝が良くなります。
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エイの刺身(ホンオフェ)

韓国の一部地域で良く食べられているエイの刺身。これも発酵食品です。カメに切り身を入れておくと、エイが持っている栄養成分が変化して自然発酵。数日経つと、独特なニオイを放ちます。元々の栄養成分は、疲労回復に良いビタミンB12とカルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富。ミネラルの中では、身体の代謝をサポートするリンも多く含みます。