K-FOODコラム

6. みんな揃ってキムチを漬けよう

 

06、みんな揃ってキムチを漬けよう

 

 

この文章を書いているしばらく前、

10月下旬の話になりますが、

 

「キムチがユネスコの無形文化遺産に!」

というニュースが飛び込んできました。

 

現時点でまだ確定となった訳ではありませんが、

事前審査に通って、ほぼ確実視されている状況。

ユネスコの補助機関が登録を勧告しており、

審査を経て、12月には正式登録されるようです。

 

同時に日本の和食も登録が確実になっており、

日韓揃って喜べる結果になったのは嬉しいですね。

12月には改めて、盛大に祝いたいと思います。

 

なお、登録名はキムチだけでなく、

「キムチとキムジャン文化」

となっております。

 

キムジャンとは11月下旬から12月にかけて、

越冬用のキムチを大量に漬け込む作業のこと。

 

家族総出、あるいは親戚までもが集まって行い、

10株、数百株という単位でキムチを漬け込みます。

あるいは地域での共同作業ということもありますね。

毎日食べるものなので、その量もすごいんですよね。

 

そんなこともあって今回の申請は、

Kimjang ; Making and Sharing Kimchi

と英文では表記されており、

作るだけでなく分かち合う精神も込められました。

 

 

 

これは飲食店の店先で撮ったものですが、

キムチを大量に漬ける姿ってワクワクしますよね。

こんなにもたくさんのキムチを食べるのかと。

 

もちろん韓国人に言わせれば、

365日毎食欠かさず食卓に上がるもの!」

ということですから、

そこに込められた情熱は並々ならぬものがあります。

 

 

 

なお、このキムジャンという作業ですが、

もともとは野菜の不足しがちな冬に備える意味がありました。

現在は栽培、流通などの発達で冬も野菜には困りませんが、

かつては無事に年を越すための生命線ともいえる作業でした。

 

そんなキムジャンの歴史をさかのぼってみると、

高麗時代の文献にはこんな記述がみられます。

「カブは醤に漬けて夏に食べるのがよく、塩に漬けて冬に備える」

高麗時代の文人、李奎報(イ・ギュポ)が書いた、

詩集「東国李相国集」の中にある「家圃六詠」という詩の一節。

カブを塩漬けにして、冬に備えるという表現から、

これが現代のキムジャンにつながったと考えられています。

 

 

 

少し脱線して、これは現代のカブのキムチ。

江華島(カンファド)の名産品として知られ、

韓国語ではスンムキムチと呼ばれます。

 

一見、カクトゥギ(大根の角切りキムチ)にも見えますが

食べてみると、食感がしんなり柔らかく風味もカブ。

韓国でカブのキムチを漬ける地域はさほど多くありませんが、

これもまた高麗時代からの歴史あるキムチといえましょう。

 

 

 

そして、キムジャンという単語の由来ですが、

これも諸説ある中で、朝鮮時代の1409年に書かれた……。

「太宗9年に沈蔵庫を置いた」

という「朝鮮王朝実録」の一節が最古とされます。

 

沈蔵庫は韓国語で「シムジャンゴ」と呼びますが、

その中の「沈蔵(シムジャン)」がキムジャンになったとの説。

もともとキムチの語源も「沈菜(シムチェ)」とされるので、

沈菜を貯蔵する、との意味からもキムジャンと合致します。

 

すぐ上の写真は沈蔵庫を置いた太宗の陵墓(献陵)。

 

ソウルの瑞草区内谷洞というところにありますが、

献陵を含む40基の朝鮮王陵も世界遺産に登録されています。

「キムチとキムジャン文化」の無形文化遺産登録にちなんで、

1度足を運んでみるのも面白いかもしれません

  

 

<次回のテーマ>

7回:冷麺の美味しい季節が冬って本当?

キンキンに冷えたスープに麺を入れて。寒い冬に食べるのは我慢大会ではないのです。

 

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