K-FOODコラム

24. 知られざる日韓のビール交流




もうすぐやってくる本格的な夏。

ジリジリと照らす容赦のない日差し。

とめどなく流れる汗に全身を濡らした後、

ようやく訪れる格別な休息の時間。



そこでグビッとやるべき飲み物といえば、

黄金の液体、ビールこそ唯一無二の選択肢でしょう。

キンキンに冷えたビールをグラスへと流し込み、

泡が落ち着くのを待って、おもむろに……。



ごきゅっ、ごきゅっ、ごきゅっ、くはーっ!



喉元から胃袋までが一瞬で爽快な冷気に覆われて、

夏バンザイ、ビールバンザイと一面最高の笑顔です。

こうして文章にするだけでもたまらないですよね。



ということで今回はビールの話題。



韓国で飲まれているビールの定番銘柄といえば、



・ハイト(HITE)/ハイト眞露

・カス(CASS)/OBビール

・OBラガー/OBビール

・クラウド(CLOUD)/ロッテ酒類



といった面々です。



韓国の飲食店で単にビールと頼めば、

まずはこのどれかの銘柄が出てくることでしょう。

あるいはこのどれかから選ぶ方式か。



以前は飲食店でもビンビールが主流でしたが、

最近は生ビールを用意する店も増えてきました。

ビール好きには嬉しい変化のひとつです。






そんな韓国のビールがここ数年やたらと元気なのは、

ひとえにチキンとの相乗効果によるものが大きいです。

韓国ファンの皆様ならすでにご存じかと思いますが、

チキンとメクチュ(ビール)を合わせて、



「チメク!」



と呼ぶのがすっかり定着しました。



オーソドックスなフライドチキンのみならず、

ローストチキンや、蜜を絡めたタッカンジョン。

フレーバーやトッピングの工夫もどんどん進化し、

ひと口にチキンといってもずいぶん多彩です。



流行のチキンが短期間で入れ替わるので、



「今度はどんなチキンが出ているかな?」



と韓国を訪れるたびにリサーチしてみるのも、

欠かせない喜びのひとつになりました。






もちろんチキンだけでなくビールのほうも劇的に進化。



先にあげた大手企業の定番銘柄のみならず、

最近はクラフトビールの充実も目覚ましいですね。

小規模なブルワリーが生産する個性的なビールを、

好みに合わせて飲むスタイルの店が増えました。



喉越し爽やかなピルスナーにしようか。

フレーバーの華やかなペールエールにしようか。

あるいは重厚感のあるIPAにしようか。



迷ったときは少しずつ試飲ができる、

サンプラーが用意されていることも多いですね。

あれこれ飲んで、どれも美味しい。






日本のビールもずいぶん頑張っています。



アサヒ、キリン、サントリー、サッポロという、

大手4社の代表銘柄はすっかり市場に浸透した印象。

どころか写真にある「常陸野ネスト」のような地ビールも、

韓国に根付いて現地生産していたりします。



統計を見ると日本は最大のビール輸出国。



2015年は全輸入ビールの29.0%が日本産でトップ。

2位ドイツ(13.3%)、3位アイルランド(11.5%)を、

大きく引き離して存在感を示しています。

(韓国関税庁データ、割合は金額ベース)






一方で日本も韓国からビールを輸入しています。



厳密に言うと第3のビールに該当するものですが、

大手スーパーのPB商品として販売されるビールは、

かなりの量が韓国から日本に入ってきています。



と書けば意外に思われる方も多いかもしれませんが、

試しに今度スーパーでチェックしてみてください。



「原産国名:韓国」



などと書いてある商品がけっこう見つかるはずです。

特に韓国が多くのシェアを占めている第3のビールは、

2015年の場合、輸入物の実に85.9%が韓国産でした。

(財務省貿易統計データ、割合は金額ベース)



日本から韓国へ輸出されるもののトップがアルコール飲料。

韓国から日本へ輸出されるもののトップもアルコール飲料。



日本と韓国のほろ酔い交流とでも言いますか。

僕らは国を越えて互いの酒を飲んでいるのです。

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