K-FOODコラム

20. 韓国に美味な貝料理がありすぎる




もうすぐ3月。



春らしくハマグリの話でも書こうかと思いつつ、

どうせ書くならハマグリだけでは寂しいなと。

ほかにも美味しい貝が韓国にはたくさんあるので、

思い切ってできるだけ多くの料理を紹介します。



まず、冒頭の写真はペカプタン。



季節への意識を残してハマグリのスープです。

韓国における貝料理の王道はやっぱりスープ。

特にお酒を飲む人にはそうじゃないかと思いますね。



テーブルの真ん中に貝のスープをひとつ置いて、

ダシの効いた汁をすすりながら冷えた焼酎をキュッ。

貝もハマグリ以外に……。



チョゲタン(アサリのスープ)

ホンハプタン(ムール貝のスープ)

チェチョプクッ(シジミのスープ)



と多彩です。

いずれも澄まし仕立てで少しの青唐辛子を入れて。

さっぱりピリッと仕上げた小粋な味わいです。






続いての料理は、パジラッチュク。



むき身のアサリをたっぷり入れたお粥です。

韓国で貝のお粥といえば、アワビ粥が有名ですが、

個人的にはアサリ粥をもっと評価したいですね。



西海岸に面した扶安(プアン)の郷土料理で、

ダシなど一切入れずただただアサリのうま味のみ。

具とてごくごく簡素に刻んだニンジンと緑豆のみ。

それでここまで濃厚に仕上がるのかと驚かされます。



次点を考えるなら、済州島(チェジュド)名物の、

ポマルジュクという小さな巻貝を使ったお粥。

小さな身をひとつひとつほじるだけでも手間ですが、

さらに根気よく煮ることで極上の味が生まれます。






お次は焼き物から、クルグイ。



直訳するならば焼き牡蠣ということになりますが、

写真の場合は大鍋でいっぺんに調理する蒸し焼きです。



牡蠣の名産地として知られる統営(トンヨン)名物。



食べるときは左手に軍手をして、右手にナイフを持ち、

自分で殻をむきつつ味わうというのが醍醐味です。

これといって味付けをする訳ではありませんが、

素材の塩気だけで充分すぎるほど美味しく味わえます。



こうした貝焼きは牡蠣に限ったものではなく、

港町に行けば、盛り合わせで楽しむことができます。

ホタテ、ハマグリ、タイラギなどをまとめて焼き、

片っ端からやっつけるというのも幸せですね。






ちょっとヒネって貝を煮る調理法もあります。



日本で煮貝というと山梨県の郷土料理が有名ですが、

韓国にもよく似たアワビの醤油煮があります。

それが上の写真にあるチョンボッチャン。

アワビの主産地である莞島(ワンド)の郷土料理です。



日本の煮貝とよく似た味わいですが、店によって、

ニンニクが効いていたり、唐辛子がピリッときたり。

ちょっと韓国的な味わいが食欲をそそります。






最後は個人的マイベストのセジョゲシャブシャブ。



日本では寿司ネタというイメージの強いトリガイを、

とれたて新鮮な生の状態でしゃぶしゃぶにした料理です。



ポイントとなるのが寿司ネタになる「足」だけでなく、

貝柱やヒモもついたままで丸ごと味わうということ。

普段見るサイズよりもぐっと大ぶりに感じられるうえ、

各部位の食感が異なって、口の中がなんとも賑やかです。



クニッとして、コリコリとして、シャキシャキする。



西海岸の洪城(ホンソン)という町の名物ですが、

1~3月の間しか食べられないというのがレアですね。

南塘港(ナムダンハン)という漁港に専門店が多く、

シーズンの間は他地域からも大勢の人が集まります。



といった感じでざっと紹介してみましたが、

ほかにも書ききれなかった貝料理はたくさん。



なかなか注目されることの少ない地味な食材ですが、

いざ目を向けてみると、意外な多彩さを発見できます。

貝好きな方は、地方の郷土料理も含めて要チェック。



抜群の美味しさに加えて、



「たくさん食べてもローカロリー!」



という点でもこの上ない喜びがあります。

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