K-FOODコラム

15. 韓国産パプリカの驚くべき活躍




普段、スーパーをよく利用する人であれば、

パプリカの多くが韓国産だとご存じかもしれません。

最近、国産も少しずつ増えてきてはいますが、

流通している9割以上が輸入物の野菜です。



昨年のデータを見るとそんな輸入パプリカのうち、

実に、



「69.3%!」



が韓国で生産されたものでした。

そのほかニュージーランド産、オランダ産もありますが、

圧倒的に韓国産パプリカが頑張っているのです。



<2014年の輸入パプリカ生産国>

・69.3%:韓国

・17.2%:オランダ

・13.4%:ニュージーランド

・0.1%:オマーン

(財務省貿易統計より)



しかもその物量と金額たるや、



「キムチ以上!」



というのはさすがにご存知ない人も多いのでは。

韓国から輸入されてくるキムチ以上にパプリカは多く、

そしてたくさん売れているのが現状なのです。






韓国でのパプリカ栽培が始まったのは1994年。



当初は飛行機の機内食用に使うぐらいでしたが、

その後、1996年頃から大規模な生産が始まりました。

まだ日本でも韓国でもさほど目にする野菜ではなく、

技術はヨーロッパから入ってきたと言います。



韓国では初期から先進的なガラス温室を整備し、

効率的かつ高品質なパプリカの生産を目指しました。



90年代後半までは日本をはじめとした輸出がメイン。



2000年頃から韓国でも国内需要が高まりはじめ、

台湾、香港、シンガポールなどにも輸出を始めましたが、

いまでも生産量の4割は日本に送られているそうです。



韓国パプリカの強みは品質とともに鮮度。



ヨーロッパからは航空便で届くことになりますが、

韓国からなら船便でも日本まではひと晩で届きます。

午後に収穫すれば翌朝には日本へと到着するので、

新鮮な状態を保てますし、費用も航空便より抑えられます。






取材で訪れたのは全羅南道康津(カンジン)郡の農場。

広大な敷地にたくさんのガラス温室が並んでいましたが、

その一画にはこんな設備も整っていました。




地下200メートルから汲み上げた水を使って、

温室内の温度をほどよくコントロールするのだそうです。

夏は冷たい地下水を使い、冬は地下水を適度に温め、

温室内にまわすことで通年の栽培が可能になります。



かつては真夏になると栽培を休まなければなりませんでしたが、

こうした設備投資によって生産量はぐっと増えました。






パプリカといえば鮮やかな色が持ち味ですよね。



その色合いは苗木の段階からすべて決まっており、

赤なら赤、黄色なら黄色の実だけがつきます。

このパプリカはほんのり赤みがかってきているので、

もうしばらくすると、真っ赤に色づくはずです。



この色合いと光沢の美しさこそが腕の見せどころ。



食卓をカラフルに仕立てるのがパプリカの役割ですが、

ビタミンカラーとはよく言ったもので……。



「ビタミンA、ビタミンCが豊富!」



あと、鉄分、カルシウムなども含むので、

栄養価といった面からも魅力的な食材と言えます。






農場の社長さんに美味しい利用法を尋ねましたら……。




「チャプチェ(春雨炒め)に利用するのは基本」

「焼肉をするときに一緒に焼くといい箸休めになる」

「生パプリカをサムジャン(包み味噌)につけても美味しいよ」




とのことで韓国料理との相性もよいようです。



よかったらぜひ近所のスーパーを確認してみてください。

約7割の高確率で韓国産パプリカに出合えるはずです。

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