K-FOODコラム

11. 春の訪れとワタリガニの旬

11、春の訪れとワタリガニの旬

 

 

 

蟹。

 

さて、カニ(蟹)の話を書こうと思い、

ひと文字書いたところで、疑問が生じました。

この「蟹」っていう漢字なのですが、

なんで「解」の下に「虫」って書くのでしょう。

 

「蟹って虫なのか?」

 

ついつい気になってしまったので調べてみると……。

どうやら昔の人は地面を這って動く生き物を、

 

「キミらみんな虫!」

ということでひとまとめに考えたらしいです。

そんな乱暴なとも思いましたが、よくよく考えてみると、

 

・エビ(蝦)

・タコ(蛸)

 

にも虫が入っていますね。

なるほど、じゃあカニも「虫」でいいことにしよう。

ひとつ納得したところで、次は「解」のほうです。

なんでカニには「解」という字が使われているのか。

 

こちらは、

 

・巴解(はかい)という人が始めて食べたから

・すぐに分解できるから

 

という2つの説が出てきました。

どちらも一見しての説得力はありそうですが、

個人的には「分解」説に共感するものがあります。

 

甲羅をはがしたり、足をパキパキと折ったりする食べ方は、

やはり「分解」とか「解体」している感じですもんね。

 

「なるほど、勉強になった!」

 

疑問がすっきりしたところで、本題からだいぶ脱線し、

もはや収集がつかなくなっていることに気付きます。

 

 

 

こんなときブログ型の原稿とは便利なもので、

写真を1点差し込むだけで、話題をガラッと変えられます。

 

「韓国でカニといえばカンジャンケジャン!」

 

などと強引に話を戻し、その魅力を語ることにしましょう。

 

丸ごとのカニを加熱しないまま薬味醤油に漬け込んだ料理。

ワタリガニを使ったものがいちばん有名ですが、

ケガニ、チュウゴクモクズガニ、イシガニなども使います。

 

 

 

軽く殻を噛むようにして身を吸い出すと、

とろとろで、あまあまの味が口の中に広がります。

それ自体も夢中になるほど美味しいものですが、

カンジャンケジャンの魅力といえば、甲羅の中。

 

カニミソと、内子(未成熟卵)が混ざり合い、

これがまた濃厚な味わいでたまらないのです。

 

そのままスプーンですくって食べてもよし。

ごはんを放り込んでぐるぐる混ぜて食べてもよし。

「パプトドゥク(ごはん泥棒)」の別名がある通り、

どんどんごはんが進み、手が止まらなくなります。

 

 

 

あるいは甲羅にごはんを放り込むのではなく、

それだけを単品メニューとして扱う場合もあります。

カニミソや内子をどんぶりごはんに載せた……。

 

「ケアルピビムパプ!」

 

少量のゴマ油をたらし、海苔と白ゴマを加えると、

香ばしさの魅力も加わって、いっそう絶妙な味わいに。

 

もう、こうやって原稿を書いているだけでも、

食べたくなって、食べたくなって仕方がありません。

 

はぁ……。

 

 

 

なにしろ、いまはまさにワタリガニの旬。

 

ワタリガニは78月に産卵の時期を迎えるため、

その直前、46月にメスは卵を目一杯抱えるのです。

専門店の多くはこの時期に1年分を仕入れるぐらい。

 

それ以外の時期にもワタリガニはとれますし、

メスだけでなく、オスを使うことも可能ではありますが、

やっぱり卵を持ったメスがいちばん美味しいんですよね。

 

上の写真は冒頭の写真をアップにしたものですが、

おなかのあたりの殻がカットされています。

市場で売られていたもので、内子の具合を見るのでしょうが、

けっこうあられもない姿なのでは、とも思ったり。

 

甲羅の内側にかける韓国人の思い入れが、

よく表れているのではないかと激写しました。

春のワタリガニはいまからが最盛期です。

 

 

<次回のテーマ>

12回:韓国の美味しい町ベスト5

韓国にも地方ごとに食模様があります。グルメ派に薦める美味しい町を独自にチョイス。

 

 

 

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