K-FOODコラム

2. 身も心も爽やかに韓国夏の涼味

02、身も心も爽やかに韓国夏の涼味!

 

 

この原稿を書いているのは7月上旬ですが、

僕の住む東京はすでに猛暑日を記録しています。

じりじりと暑い中で、食欲が落ちるとき、

食べたくなるのは冷たい麺料理ではないでしょうか。

 

韓国料理であれば、やはりネンミョン(冷麺)!

 

キリッと冷えたスープで喉をうるおしながら、

コシのある麺を、つるっといく快感がたまりません。

爽快感、清涼感に加え、満腹感まで得られる幸せ。

 

なお、冒頭の写真は平壌(ピョンヤン)式の冷麺で、

牛ダシをベースとしたスープにそば粉麺が入っています。

もうひとつ代表的な冷麺には咸興(ハムン)式があり、

こちらは辛い薬味ダレにでんぷん主体の麺を絡めます。

 

スープ入りのほうは、韓国語でムルレンミョンと呼び、

薬味ダレと絡めるほうは、ピビムネンミョンと呼びます。

ムルは水、ピビムは混ぜるという意味ですね。

 

このほかにも冷麺と名のつく料理は多く……。

・トンチミネンミョン(水キムチスープの冷麺)

・ヨルムネンミョン(葉大根キムチの冷麺)

・チンネンミョン(葛麺の冷麺)

・フェネンミョン(刺身を載せた混ぜ冷麺)

 

といった亜種があります。

郷土料理まで含めればもっとたくさん。

 

例えば、晋州(チンジュ)冷麺なんか個性的ですよ。

海産物のスープに、サツマイモでんぷんの麺。

牛肉のチヂミにキュウリ、梨などが加わります。

 

 

そしてまた、冷たい麺料理としても、

韓国には冷麺以外のさまざまな選択肢があります。

 

上の写真はコングクス。

 

コンが大豆、グクスが麺という意味で、

ミキサーにかけた大豆のスープに麺を入れて味わいます。

日本語では豆乳麺などとも訳されますね。

 

香ばしさはもちろん、少量の塩を入れることで、

大豆本来の甘さが引き立つ、風味豊かな麺料理です。

 

 

あるいはチョルミョンなども夏の定番です。

 

盛岡冷麺に似た、シコシコとコシのある太麺に、

大量の野菜を載せ、辛い薬味ダレと混ぜて味わいます。

前述のピビムネンミョンともよく似た雰囲気ですが、

野菜の食感とみずみずしさが何よりの持ち味です。

 

サラダ風の冷麺と表現してもいいでしょうし、

韓国版の冷やし中華といってもよいかもですね。

 

韓国では手軽に作れる家庭料理としても人気です。

 

 

そして、夏の涼味といえば麺料理だけでなく、

パッピンス(韓国式のカキ氷)も忘れてはなりません。

 

……と書いて、ここでひとつ補足。

 

いまパッピンスを「カキ氷」と書きましたが、

言葉の意味から考えると、

 

・パッ=アズキ

・ピンス=カキ氷

 

なので正しくは韓国式の氷アズキを指します。

しばらく前まではフルーツなどの具をたくさん載せ、

豪華絢爛に作りましたが、最近は少し変化も見えます。

 

写真はミルクをたっぷり含んださらさら食感の氷と、

上質のアズキに、アクセントとしてお餅を少々。

そんなシンプルなパッピンスも人気を集めています。

 

 

伝統系要素を加えたパッピンスも流行のひとつ。

 

主に伝統茶カフェなどで提供されますが、

写真の例では、栗と乾燥ナツメをメインにしています。

そこにインジョルミと呼ばれるキナコ餅が加わり、

落ち着いた雰囲気のテイストがなによりの魅力。

 

たっぷりの乾燥ナツメはカリカリと軽快な食感で、

どこかシリアルを食べているような気にもなります。

 

ほかにも最近は、緑茶テイスト、紅茶テイスト、

お菓子や餅を大量にトッピングしたものなど多士済々。

夏場はどこのカフェでも期間限定で登場するので、

ぜひ休憩がてら、あれこれ試してみてください。

 

これだけ涼味があれば夏の暑さも恐るるに足らず。

でも身体の冷やしすぎには重々注意してくださいね。

 

 

<次回のテーマ>

3回:学んで美味しい韓国料理の歴史

昔の韓国料理は赤くなかった。唐辛子の伝来から辛さの役割まで、歴史をひも解きます。

 

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